母が認知症になりました

認知症になった母とのあれこれ

支援金詐欺

ことの発端は支援金詐欺

2020年の6月。コロナ禍で近くに住んでいるにも関わらず行き来も減っていた頃。

何気なく母の位置情報を確認していたら、母が外をふらふら移動している。何か嫌な予感がして電話をしてみた。

「今なにしてるの?」
「ふふふ、ちょっとね」
「え?なになに??」
「お金がはいるのよ」
「え?なんのお金?」
「えー、言っちゃおうかな。億だよ、億。」

ヤバス!

「それ、詐欺だから、今から何にもしないで家に帰って待ってて!すぐ行くから!」
雨なので原チャも使えず、傘引っつかんで母の家まで走って行きました。

なんかややこしい詐欺だった

母の家に行くと、母はなぜ私が興奮しているのかわからない様子。なにやらメールが来て、サイトに誘導され、それに従って行動していたらしい。

なんでも、選ばれた恵まれない人に、お金を出す機関があり、貴方はそれに選ばれたと。俗に言う支援金詐欺というやつらしい。

メールからサイトに誘導されるされて、そこに個人情報を入力する欄などがあったらしい。

らしいというとは、そのサイト、一旦入力などすると、再度たどり着けないようになっているようで、私のデジタルの能力では元サイトには行けなかった。

そして怒涛のメール攻撃。

母の個人名に対して、いろんな人から数時間おきに、〇〇さんは手続きしました。貴方もすぐ手続きしてください。みたいなメールが数時間おきに届いていた。

その手続きというのが、コンビニで電子マネーを数千円分買って、それを現金化するためのパスワード(13桁くらいある)をサイトの送信フォームで送ること。

それを何回か繰り返すと、億のお金が振り込まれるという謳い文句。

母はそれをすっかり信じ込んでいて、「明日まで待って!振り込まれるから」と何度も私に言った。「どこに振り込まれるの?銀行の口座とか教えたの?」
「それは教えてない」
「じゃあ振り込まれないよね」
沢山の振り込み票を全部計算したら、被害額は二万数千円。軽微な額で済んでよかった。

「もしあと50万円振り込めば3億円貰えますってメールが来たらどうしてた?」
「振り込んだ」
母よ...。

とりあえず現状を把握したので警察に行った。

お巡りさんも「億もらえるんだったら、俺も振り込みます」って笑ってた。13桁のパスワードを間違えずに入力した母のケータイ操作力には心底感心してくれていた。

私がお巡りさんにいろいろ説明している間に、母はきまり悪くなったのか、怪しいメールをどんどん消していた。

被害額もわずかだし、被害届も出さず、交番を後にして、こりゃ判断力相当落ちてるな、認知症になってるかもと思った最初の出来事でした。

受診の予約をした

個人情報がどこまで漏れているかわからないので、とりあえずケータイの電話番号を変えて、件のメールが届いていたキャリアメールの使用も中止。

それから早速病院の予約をしたのでした。